自分に合った食材の選び方の続きです。
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今回は豆についでです。
日本で豆と言えば大豆製品ですよね。味噌、醤油、納豆、豆腐など毎日取り入れている方も多いと思います。
大豆以外にもたくさんの豆がありますが、それ以外の豆をよく食べる人は少ないかもしれません。でも、上手く取り入れれば食材の幅が広がりますし、栄養素も取りやすくなります。
豆には炭水化物が豊富に含まれているので、小麦や米、大麦、オーツ麦などが合わない人にとっては主食にもなります。食物繊維も豊富なので、血糖値が上がりにくいのも嬉しいところです。
また、タンパク質も多く含まれているので、肉や魚が合わない人にとっては良いタンパク源にもなります。
アレルギーの人にとっては、貴重な選択肢の1つです。
今日はこの豆について、食事に取り入れていくために注意するポイントと、上手く取り入れる方法についてお話ししていきます。
豆にはレクチンが多い
さて、そもそもなぜ大豆は豆そのものよりも、味噌や納豆などの加工食品として食べられる方が多いのでしょうか?
それは豆にはレクチンと呼ばれるタンパク質が含まれていることが関係しています。
大豆は特にレクチンが多く含まれています。
レクチンとは、豆が他の動物から食べられないように、身を守るために作っている物質です。毒性があり、動物はレクチンを含む食べ物を食べることで弱ってしまいます。
レクチンは腸で炎症を起こし、腸の守りの機能であるタイトジャンクションを緩めてしまいます。そのため、腸の免疫機能が正常に働かなくなり、ウィルスなどの不要なものを取り込んてしまいます。
これは小麦のグルテンのところでも出てきました。そもそもグルテンはレクチンの一部で、レクチンが腸に炎症を起こしているのです。
このレクチンは豆だけでなく、穀物、野菜、そして動物など多くのもの含まれています。
特に種子や外皮に多く含まれているため、人間はこのレクチンの活性をできるだけ抑えて、安全に食べる方法を考えてきました。
大豆を発酵させて味噌にしたり、小麦を発酵させてパンにしたり、玄米を水に浸けて発芽させて炊いたり、お米を精米して白米にするという工夫です。
安全に食べるために一手間必要なんですね。
適切な調理をすることで安全に食べることができます。加熱が不十分だと、レクチンの中毒症状として、嘔吐、下痢などを引き起こします。
豆のレクチンを減らす調理法
基本的に豆類は、水で戻して、沸騰した湯で10分加熱すれば大部分のレクチンが不活化するそうですが、30分は加熱する方が良さそうです。
10分では豆が柔らかくなりませんよね。
【参考】豆の基本的調理法に関する諸説をを検証(その2)
https://www.mame.or.jp/Portals/0/resources/pdf_z/071/MJ071-06-MS.pdf
豆の種類や季節にもよりますが、一晩水に浸けて戻して、30分〜1時間ほど茹でるのが一般的です。これでほとんどのレクチンが不活化されます。よりしっかり加熱すると言う意味では、圧力鍋を使う方がレクチンに効果的です。
また豆を浸けた水は捨てて、新しく水を入れて茹でたり、アクを取り除くことでも反栄養素を減らせます。
豆にはレクチンが多いものもあれば、少ないものもあるので、身体に負担にならないものを選んでいきましょう。
豆類でレクチンが特に多いのが赤インゲン豆(金時豆)です。また大豆や白インゲン豆(花豆、白金時豆、手亡豆、うずら豆、虎豆)にも多く含まれています。
比較的少ないのが、ササゲ、そら豆、レンズ豆などです。
【参考】白インゲン豆による食中毒に伴うレクチン活性の分析事例
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/25270/1/32-p101.pdf
一般的には食材の栄養素がピックアップされて、いかに良いかがアピールされています。
でも、それ以前に植物の毒性がどれだけあるのか、それがどのくらい調理によって減らせるのが大事だと思っています。
レクチン以外にもシュウ酸、フィチン酸、サポニン、タンニンなどいろいろな反栄養素があります。
少量ではこれらも健康効果がありますが、多量に含まれると毒になります。
特に胃腸が弱い人にとっては栄養素よりも、この反栄養素のダメージをいかに受けないかが大事になります。
いくら栄養があっても、腸に炎症が起こるようなら、それはマイナスでしか無いですよね。
人によってその許容範囲が違いますので、よく自分の身体を観察して下さい。食材選びから調理法まで含めて検討する余地があります。
私には穀物で合うものが少ないので、ひよこ豆やレンズ豆は貴重なご飯代わりになります。
しっかり圧力鍋で加熱して食べています。
私には豆の茹で汁は合わないので使いませんが、これも工夫の一つです。
豆はレクチンが多いからと避けていたらもったいないですよね。レクチンが少ない豆を選び、しっかりレクチンを不活化して食べましょう。
味噌や納豆、テンペなどの発酵食品を中心に、ゆでた豆も検討してみて下さい。もちろん大豆アレルギーなど、アレルギーのある豆は避けてくださいね。
どんな時も自分の体調を観察して、合う、合わないをみて下さい。調理法を変えて食べられるならそれもOKです。
合う豆が見つかれば食事のバリエーションが広がります。
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