私が会社員として働いていた時は、全てが我慢だった。
朝起きられないタイプなのに、必死で目覚ましをかけて起きる。嫌いな満員電車でヘトヘトになって、会社へ行く。仕事がつまらないけれど、何とか定時まで働く。
様々なことに我慢していた。
全てが嫌で仕方が無かった。
そこから自分の好きを探して、好きなことが仕事になり、個人事業主になった。
そこで初めて自分の考えで決められる喜びを知った。もちろんその責任は自分で負うけれど、私にとってそれは当たり前で、むしろ自分で責任を負えることが嬉しかった。
毎日怖いけどスリリングなその生活は私に合っていて、会社員よりも遥かに楽しかった。
好きなことを仕事にして、とても充実していたけれど、業種的に組織に属さなければいけなかったので、そこでのやり取りや人間関係が1番のストレスだった。
挨拶や根回し、スムーズに回るように隅々まで気を配って疲れ果てていた。
好きなことだからこそ、必死に頑張って我慢に我慢を重ねたので、その好きなことすら嫌になってしまったのだ。
疲れ果てた私は、そこから嫌なことを我慢するのを辞めていった。
どんな頼まれごとも、身体が疲れて嫌な時には断った。以前なら引き受けていたやりたくない仕事も断った。お付き合いで行っていた食事も行かない事にした。
そうやって、どんどん我慢をやめていくと、どんどん自分の本音が分かるようになっていった。
それまでは、やって当たり前の意識から180度変わったのだ。
『あれはやりたくない』
『これもやりたくない』
『あ、これがいい!』
そうすると、身体も心も解き放たれるように楽になっていくのが感じられた。
ホッと安心して、苦しんでやらなくてもいいのが涙が出るほど嬉しい。
そうやって、我慢をやめて、本音で生きていくと、我慢している人というのが、すぐに分かるようになってきた。世の中には我慢している人が山ほどいるのだ。
我慢している人というのは大抵被害者意識に苛まれている。
自分はこんなに我慢しているのに、感謝されない。
悪いのはあいつのせい。
あの人またサボっている。
自分に課している我慢が、他人への批判へ向かわせる。そして回り回って自分への批判として返ってくる。この仕組みを肌で感じてゾッとした。
『元々は他人のせいでは無く、自分が自分に我慢をさせていることが、返ってきているだけなんだ!』
と腹の底からわかったので、より一層、自分に我慢させることはやめた。
私も他人のことは言えない。ず〜っとそんなことをやってきていたのだ。
そんなに自分を苦しめなくていいんだよ。と声を大にして伝えたい。
もっと自分を優先していいよ。
嫌なことを我慢しなくていいよ。
自分を責めなくていいんだよ。
自分を我慢させて責め続ける限り、他人の声として返ってくる。そんなことをしていると、どんどん生きる気力が無くなっていく。
もっと自分を労ってあげて下さい。
もっと優しいことばをかけてあげて下さい。